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【ユーロドル(EUR/USD)】来週2020年10月12日~10月16日の相場見通し

投稿日:2020年10月11日 更新日:

 

2020年10月5日~10月9日のユーロドル(EUR/UDS)相場は1.1707-1.1832の間で推移しました。

値幅は約125pipsです。

週の始めに1.1716で寄り付いたあとに週間安値となる1.1707まで軟化し、そのまま下値を探る展開になるかと思いきや一目均衡表転換線に下落を阻まれ踵を返したように上昇に転じ1.18にタッチしてきました。

1.18にタッチした後は再び軟化し1.17台で上下するレンジ相場となっていましたが、10月9日(金)に1.18まで上昇し定着後、週間高値となる1.1832(9月21日以来の高値圏)まで続伸しました。

引けに掛けて高値圏で上下を繰り返していましたが、下値は堅く1.18を明確に割ることができず1.183前後で越週となっています。

ユーロドルはファンダメンタルズ的に上げ材料も下げ材料も両方ある中で、下げ圧力は限定的なものとなり最終的に上げ圧力が勝った形となります。

テクニカル的にも短期的には上昇を示唆しています。

【上げ材料】

  • 米国による追加景気対策期待の高まり
  • 欧米株の上昇によりリスク選好のドル売り圧力
  • ユーロ圏9月サービス業PMIが予想より良かった(結果48.0、予想47.6)
  • ユーロ圏8月小売売上高が予想より良かった(結果3.7%、予想2.2%)
  • イギリスの合意無き離脱リスクの後退(フロスト英・欧州連合担当交渉官による「欧州連合との合意に向けて真摯に取り組んでいる」との発言や、バルニエ主席交渉官による「英国との交渉が15日~16日のサミット以降も継続する予定」との発言)
  • バイトマン独連銀総裁による「ユーロ高を過剰に解釈しない」との発言
【下げ材料】

  • ラガルドECB総裁による「ECBはあらゆる手段を活用する準備がある」との発言
  • フランスの国立統計経済研究所による第4四半期の国内総生産の下方修正(今回0.0%、前回1.0%)
  • レーンECB専務理事による「インフレ目標を達成するため、ECBは新型コロナウイルスによる苦難を克服した後も十分に緩和的な金融政策を維持する必要性がある」との発言
  • 欧州における新型コロナウイルスの感染再拡大(イタリアで非常事態宣言延長、スペインのマドリードで非常事態宣言発動)
  • ECB議事で「ユーロ高への懸念を示す」との要旨

 

 

 

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来週(10月12日~10月16日)のユーロドル(EUR/USD)相場の見通し

 

 

ユーロドル相場の来週10月12日~10月16日の見通しは、テクニカル的には一目均衡表転換線や基準線を上抜けしているため地合いの強さを示唆しており、ファンダメンタルズ的には上値を抑えるネガティブな材料を抱えているため下抜けする可能性もあり、両方のシナリオを見極める地合いとなっています。

また、ドル円(USD/JPY)相場の動きに影響される可能性も視野に入れておく必要があります。

 

来週の上げ材料

テクニカル的に一目均衡表転換線や基準線及びボリンジャーミッドバンドを上抜けており、また、1.183前後の高値圏で引けていることもあり底堅さを印象づける地合いのため更なる上昇が考えられます。

ファンダメンタルズ的には下げ材料もありますが、10月5日~10月9日の週のように下げ材料に対する反応は限定的なものとなる場合は、まずは目先の1.185から一目均衡表雲上限である1.187を目指す強気な展開が予想されます。

1.187を明確に突破した場合は、一旦の節目となる1.19へのチャレンジもあり得ます。

 

来週の下げ材料

ファンダメンタルズ的には下げ材料が多く残されています。

【来週の下げ材料】

  • ユーロ圏経済及び物価の先行き不透明感
  • 世界的な貿易戦争再開リスク
  • 朝鮮半島や中東及び香港を巡る地政学的リスク
  • ユーロ圏における新型コロナウイルス感染再拡大リスク
  • ECBによる根強い追加規制緩和
  • IMM通貨先物市場における投機筋のユーロの買い持ちポジションの多さ
  • イギリスの合意無き離脱リスク再開
  • ECB当局者による度重なるユーロ高牽制発言

まずは、10月12日20時00分と10月14日17時00分に予定されているラガルドECB総裁の発言とユーロ圏のそれぞれの指標には注視が必要です。

また、イギリスとEUの通商交渉の期限が10月15日までとなっており、15日までに合意に至らず15日から16日に予定されているEU首脳会議で合意無き離脱が決定された場合はリスクオフのユーロ売りに転じる可能性が想定されます。

但し、合意に至った場合や合意に至らずとも交渉が継続されることになった場合は、リスクオンのユーロ買いとなる可能性も十分残されていますので結果が出るまでは神経質な動きになるのではないでしょうか。

 

 

 

最後に

 

来週のユーロドル相場は、テクニカル的には更なる上昇に分があるものの、ファンダメンタルズ的には下落するリスクを多く抱えている神経質な状況です。

言うなれば「テクニカル(上げ)VSファンダメンタル(下げ)」の駆け引き状態です。

ファンダメンタルズは水物ですので、特に「要人発言」と「英国とEUの通商交渉(合意無き離脱リスク)」には注視をしてトレードをしていきたいところです。

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