池袋で発生した元院長の車の暴走事故は記憶に新しいところです。
あれ以来、毎日のように高齢者ドライバーの事故報道があります。
そのニュースを見るたびに「また高齢者か」という思いでいっぱいになります。
しかし、よく考えると、交通事故は毎日どこかで発生しているわけで、その中から高齢者の事故だけをピックアップして報道すれば「また高齢者の事故だ」という印象を受けてしまうでしょう。
もしそうなら「偏り報道」「情報操作」になってしまいます。
ですから、厳密には事故発生件数や年代別の統計やデータを持ち出してこなければならなくなってしまうわけですが、今回私が言いたいのはそういうことではありません。
若者であろうと高齢者であろうと「運転適性を欠いている人は運転してはいけない」ということです。
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もくじ
運転適性を欠いた人とは
運転適性があるから運転免許証が交付されているわけですから、運転免許証を持っている人は運転の適性があると認められていると言えます。
もちろん、ペーパードライバー以外は運転をしている中で違反をしてしまったり、事故が発生してしまうこともあるかと思います。
反則金を支払ったり点数を引かれたり点数が元に戻ったりしながら運転をしているのが現在の制度です。
違反や事故が度重なり点数が無くなれば免停になったり免許取り消しになったりします。
しかし、高齢者に関してはもっと厳重な対応ができる制度が必要ではないかと思っています。
75歳以上の人に義務化されているもの
現在、免許更新の際に満75歳以上の人には「認知機能検査の受検」と「高齢者講習等の受講」が義務付けられています。
しかしこれらも完璧なものではありませんし、「身体能力と反射神経の検査」も必要なのではないでしょうか。
車を運転するには、スムーズなハンドルさばきとアクセルとブレーキを使い分ける運動神経と反射神経が必要です。
高齢になりそういった動きがスムーズに出来ない場合は、更新できないような制度が必要ではないでしょうか。
高齢者の身体状態や体調は短期間で変化する
高齢になると、身体状態や体調はごく短期間で変化します。
その変化の多くは「悪い方向」です。
急変や突然死だってあり得るのですから、早ければ数分で状態は変わります。
そんな中、現在の免許更新制度が70歳以上で無違反やゴールド免許の場合、最大で4年更新になっています。
高齢者にとって4年間は長すぎます。
元気だった高齢者が杖をつくようになり、認知症になって介護施設に入所して寝たきりになってしまうまで4年もあれば十分考えられることです。
高齢者の免許更新の期間設定を考え直す必要があるのではないでしょうか。
踏み間違いは適性欠如
高齢者の事故原因でよく聞くのが「アクセルとブレーキを踏み間違えた」というものです。
この原因は若者ではまず考えられないでしょう。
あるとするならばすぐに免許を返納すべきです(私ならそうします)。
つまり、「アクセルとブレーキを踏み間違える時点で運転適性が無い」のです。
若者の事故で、アクセルとブレーキを踏み間違えたという事故は聞いたことがありません。
免許が無ければ困るという現状
「歳も歳だから免許返納も考えているけれど、そうなると移動手段が無くなって困る」という高齢者もいらっしゃるかと思います。
特に、公共交通機関が発展していない田舎に行くほど深刻な問題になります。
行政が知恵と力を振り絞って考えて欲しい問題ではありますが、高齢者割引の効く格安タクシーや地域全体で支えていく制度が必要でしょう。
しかし、根本的なことですが「運転適性のない人が運転をして他人に迷惑を掛けることがあってはならない」ということです。
自分一人の自損事故ならまだしも、何の罪もない他人様を巻き込むようなことがあれば目も当てられません。
自分の都合や勝手な判断で、他人に迷惑や損害や命の危険を与えることは絶対にあってはなりません。
もちろん、普通の人であっても事故をしてしまう可能性はありますが、そもそも「アクセルとブレーキを踏み間違える人」が事故を発生させる確率はその比ではなく、そういう人は運転してはいけないのです。
最後に
今回は、毎日のように報道される高齢者の交通事故について「運転適性のない人は運転してはいけない」ということについて記事を書きました。
2025年には、団塊の世代の人達が後期高齢者(75歳以上)となる「2025年問題」があります。
今後益々、高齢者ドライバーが増えていく中で、制度を考え直していく必要があるのではないでしょうか。
「高齢者だから」という理由で闇雲に免許を取り上げていくことも問題ですが、運転適性を欠いた人が運転をし続けることで、罪のない一般市民が被害に遭う確率が上がるのだとすればそちらの方が大問題です。
現在は努力義務とされている「もみじマーク(高齢運転者標識)」の標識表示を、罰則をつけた表示義務とするだけでも、高齢者ドライバーの周囲にいる他者の安全性は格段に上がるのではないでしょうか。